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広告屋とかが言う「コンセプト」

コンセプトとは何か?という話をするときに、「商品や企業のいいところを一言でまとめたもの」と解説されることが多い。これは違うと思う。たとえばあたらしいクルマが出て、空間の広さがウリであるときに、それを一言で表した「大空間」というのはコンセプトではない。たとえばこの場合、「移動するリビング」とかのほうがコンセプトだ。

要するにコンセプトは「これを何と見立てるか」の話である。この場合、広い空間のクルマを移動するリビングに見立てたのである。だから、広告屋にいる人にとって決定的に重要なのは見立て力である。見立てるときには必ず誰かの視点で見立てているわけだから、その視点をどこに置くかが腕の見せどころになる。

良い見立ては単に商品が欲しくなるだけではなく、目新しさと親しみやすさを両方持っていて、施策がたくさん思い浮かびそうなものであることが多い。