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正義のサステナビリティ

サステナビリティという単語は初めて見たときからしっくりこないところがあって、日本語では「持続可能性」ということになる。mortalという英単語を調べたら「死すべき」と訳されて、なんのこっちゃと感じるときの感覚に似ている。 つい最近までは、サステナ…

就職とかを考え始めるだいぶ前に知りたいこと

会社の若い人にメモを見せたら、もっと前から知っておきたかった‥と言われたので公開。専門分野ではないので、少し間違っているかもしれない。いずれにせよ、成果主義とかコミュニケーション能力とか派遣切りとかは、全部結びついている構造の一部なので、そ…

なぜユニクロはLifeWearと言うのか

「LifeWear」というのがよくわからなかった。わからないというより、当たり前のように聞こえた。服は生活の中にあるから、Lifeなのは当然に思えるし、個別の説明を読んでも、気持ちいいとか、あらゆる人にとか、話が大きすぎて特徴が見えてこない気がした。…

可能性の広告

最近、中の人向けの広告が多くなったような気がする。クルマ屋の中の人向けのクルマの広告。保険屋の中の人向けの保険の広告。お菓子屋の中の人の向けのお菓子の広告。もちろん就職活動の時期には学生向けにそういうのが多くなるし、もともとミラー効果とい…

なぜビジネス文脈でデジタルやデータが流行っているのか

世の中でいえば、amazonやフェイスブック等のデジタル系とされる企業が目立ってデカくなっているからとか、AIみたいにできることが増えている感じがするから、というのがあると思う。でも、事業というものを真面目に考えてみるとデジタルやデータ活用という…

虫の目の希望としてのバブル

その名も「バブル」という名の本を読んだ。当時日経の証券記者だった人が書いたもの。いかにしてそれが生まれ、いかにして大きな傷跡を残したか、色々な人の思考と行動から描いている。「鳥の目」と「虫の目」というのをなんとなく思う。全体を引いた目、つ…

人生のプロジェクト化

近い未来、仕事や趣味といったものは解体されていくのではないかと思う。そしてこれから重要になってくるのは「プロジェクト」という概念だと思う。あなたはどのプロジェクトに属していて、どんな役割をしているのか?ということが決定的に重要な世の中にな…

群衆の叡智でカレーライスが出来るか

いわゆる「群衆の叡智」では、集団の中にいる人達が、それぞれ違う意見を持っていること、それぞれが流されないこと、それぞれが専門を持っていることなどの特徴を挙げている。最後に統合集約するにしても、それぞれの個人はバラバラでないとダメという考え…

プライベートヒーロー

実家に帰って父親や母親と話をしたりすると、たとえば瀬戸内寂聴とか、寺島実郎とか、そういうある程度有名な人をなんとなくお気に入りとして持っていて、彼らの本を読んだり最新の発言とかをチェックしてたりして、判断の軸として持っていたりする。へえ、…

便器に浸かりたくない

日本ではバストイレは別にしたがるのに、海外では一緒であることが多いのはなぜか?ということをあれこれ調べていた。歴史的には、海外ではバストイレは家族ではなく個人に紐づくから家に何個もあるのだ、という記述がいくつか見つかるのだが、これは家に何…

ゲームの楽しさよりもゲーム化の楽しさ

ポケモンGOに乗っかって数日やってみて思うこととしては、外をウロウロしながら捕まえたりして集めたりするわけだけど、なんか、こういうこと、子供の頃にやっていたよなあという感じ。それこそ道路の白線の上を歩くとか、学校で蹴りだした石ころを家まで蹴…

新型多数決

政治の話でも、会社の中での話でも、「大勢でなんらか一つの結論を出す方法をどうするのか」はなかなか難しいところで、全員に一票与えれば平等なんだけれども、結果として良かったのかどうかわからないな、というのは永遠の課題だと思う。最近は代議制みた…

明らかなハズレを考える

仮説なりアイデアなりを考える時のコツみたいなことを聞かれることがあるが、なかなか答えるのは難しいというか、思考習慣みたいなところはあるのだろうと思う。思考習慣について明確に言えることがあるとすると、見ていて「明らかなハズレを真面目に検討す…

契約文化

契約書を(形式的にではなく)ちゃんと作る文化とそうではない文化では、長期的にはかなり大きな心理や行動の違いが出てくるのではないかと思い始めた。もし契約書を結ぶ習慣があるならば、発注主は自分が求めていることを厳密に・具体的に考えなければなら…

いい感じのビジョン・ミッション

最近はビジョンやミッションを作るのが流行っているのか、新しい企業はその種のものをきちんとホームページなんかに掲げていることが多い。個人でこれらを掲げている人もいる。なんらか思いを表明しようという気持ちがあるのだろう。ただ、たとえば「食を通…

広告屋とかが言う「コンセプト」

コンセプトとは何か?という話をするときに、「商品や企業のいいところを一言でまとめたもの」と解説されることが多い。これは違うと思う。たとえばあたらしいクルマが出て、空間の広さがウリであるときに、それを一言で表した「大空間」というのはコンセプ…

究極の客

いまさらだが、スティーブ・ジョブス的っていうのは何なのかと考えるに、他の経営者とかじゃなくて彼だけにありそうだなと思うのは、彼は「究極の客」になれるっていうところだと思う。世の中のユーザーに「どうですか?」「何がほしいですか?」て聞かなく…

人生がずっと小学校のようであればなあと思う

毎日の時間割は組んであって、先生が怒ったり褒めたりしてきて、ぶつくさ言いながらも毎日通って、たまに楽しいこともある。たまにテストはあるけど順位を貼りだされたりすることもないし、その結果で生死が左右されるわけではない。生徒によりお金持ちや貧…

コミュニティとノリ

いろいろ海外とか見ていると、いまの日本は消費社会としてノリが悪いと感じる。人々が「もっと、もっと」と思っているほど、消費社会としてはノリが良くなる。企業のおじさんたちが若者の動向に注目するのは、若者がノリが良いと思われているからで、特に若…

弱さ・愚かさ・正義・欲

仕事でもプライベートでも頼まれごとはあるけれど、最も手伝いたくないなと思うのは、「これは正義だから」というもの(「善」でもほぼ同じ)。世の中で間違った行いに見えるものは、元をたどると「弱さ・愚かさ・正義・欲」のどれか、あるいはその組み合わ…

コンサルと広告代理店の違い

クライアントが「山に登りたい」と言った時に、コンサルは地図を作ってくる。地図を一緒に見つめていると、クライアントが「このルートがやっぱり合理的だよね」と言って、登るクライアントに手を振って送り出す。たまに一緒に登るタイプの人もいる。代理店…

やらせるとまかせるはことなる

やらされ感があって嫌だというのはよく聞くけど、任され感があって嫌だというのは聞かない。逆に任され感は嬉しいという文脈で使われていることのほうが多いイメージだ。仕事を頼むときに、「やらせる」のと「任せる」というのは何が違うか。やらせるときに…

戦略とはなんなのか

「どこに絞り込みますか」というお題になると、たいてい議論は止まりがちになる。多くの人は、「絞らなくていいではないか」と心の底で思っている。ターゲットを決めましょうと言われても、全員でいいではないか、という話になる。自分もこれは大いに思い当…

競争の勝者は同じ性格になる問題

いろいろな業界を見ていると、「業界トップ企業は同じような性格になりがち」というのがあるように思う。端的にいうと、ライバルに対してすごく嫌らしく、顧客に対しては良いことを提供するのだけれど、実はちゃっかりと稼いでいるというような。なんか、賢…

答えの組織と問いの組織

色々な組織と仕事でお付き合いすることがある。 上層部の人と話すと、こちらが提案したことについて二種類の反応がある。 「私はそれは正しいと思う(思わない)」と、「私はそれが狙いに合っていると思う(思わない)」である。 この違いは、組織それ自体の…

ピラミッドのROI

大林組の試算によると、現代の技術でピラミッドを建てるとすれば1,250億円を投資して5年かかるらしい。 ちなみに、スカイツリーの建設費は約400億円、六本木ヒルズは2000億円強である。ピラミッドは、通常であれば、1日2万人が訪れる。入館料だけ見ると、ク…

生まれ、着く、センス

前に、1万時間の訓練で習熟する、という本があった。スポーツなどの練習ものでは特に、量が質に転化するとも言われる。5年前に、12kg太った。慌ててレコーディングダイエットに手を出した。毎日、口から入れるすべてのもののカロリーを記録していく。理想を1…

何かをやめさせる時の考え方

仕事では、なにかをしてもらおうとして作戦を練ることがある。じゃあ、なにかをやめさせるというプランはどうだろうか。世の中には、いじめ対策みたいに「なにかを防止したい」というような場合が多くある。こういうとき、どうすると効果があがるのか。何か…

無料ユーザーは従業員である

しばらく前にこういう格言を聞いて、ずっとひっかかっていた。 「もしあなたが無料でそのサービスで使っているなら、あなたは客ではなく商品なのだ。」無料でサービスを使うというのはいったいどういうことなのだろうか。たとえば自分が何か「無料のサービス…

最高かつ最低

人が動いたり、惹きつけられたりする。その中心には、なんだか重力と引力を併せ持つ、巨大な何かが渦巻いている印象をもつ。 あの人(麻原彰晃)が優しいときには、私が人生の中で会った中で最高に優しい人になります。あの人の怖いときには、私が人生の中で…