就職とかを考え始めるだいぶ前に知りたいこと
会社の若い人にメモを見せたら、もっと前から知っておきたかった‥と言われたので公開。専門分野ではないので、少し間違っているかもしれない。いずれにせよ、成果主義とかコミュニケーション能力とか派遣切りとかは、全部結びついている構造の一部なので、それを知っておいたほうがいいし、どれかだけ変えてみてもうまくいかないと思う。
メンバーシップ型(人に仕事をつける系)
- ある期間(新人から退職まで)社員をクビにしない組織をまず作る。
- 好景気だと若者が必要なので優遇され、不景気だと若者から採用を減らされる=新規採用が全体の調整弁
- 企業内人生が長いので、採用においては潜在能力や人当たりが重視される。教育機会や教育能力が企業の重要な力のひとつになる
- 大企業では内部ローテーションをして総合力を高める一方で、個々人の専門性は低くなりがちで、専門業務は外注しがち。
- 結果として社内調整やコーディネーション的な役割の人が増えていく。これがいわゆる「コミュニケーション能力」
- また職務無限定のため残業や転勤は労働者にとって避けがたいリスクとなる
- 個々人の成果を切り分けにくく、給料は年次に紐づく(結果、若年のほうが労働に対して対価が安くなる)
- 既定メンバーで仕事を回すので、上司に求められるのは人事的能力。適材適所、人のやる気や力を引き出すこと
- 企業はある種のコミュニティのため、年齢層が偏ったりすると賃金配分に困るが、業績が伸びず若者(新卒)を取れないことがあり、そうなるとますます偏ってピンチ
- 会社がコミュニティであり職務のバラエティ度合いが高いため、なんでも楽しめる人、人に好かれやすい人に向いてる
ジョブ型(仕事に人をつける系)
- 演繹的で、企業として成す仕事をまず決める。そのために必要な作業を分担し、それぞれの専門の人を雇う
- 専門性の低くなりがちな若者(新卒)が常に苦しい立場になる=職業訓練の必要性、そういう学校を出てから企業に入る
- そもそも業務が要素分けされているので、採用も給料も専門性や結果に紐づく
- 転職は専門性をベースに行うので容易(需要があれば)
- 会社全体の事業の優良性、戦略性が企業の重要な力のひとつになる
- 上司に求められるのは戦略構築と職務定義。戦略志向・目的志向・論理思考・マネジメントが必要。
- 全社戦略を決め、仕事を分解し、人に割り当て、きちんとやらせる人が偉い。そのこと自体がまたひとつの専門能力。その下に専門家がいて、さらに下に単純作業の人がいる
- 会社は言ってみればプロジェクトチームのため、競争に負けたり、産業構造の変化などで急に解雇されたり、企業ごとなくなったりすることがあるけど当然
- やりたいこと・得意不得意が明確にあったり、一つを極めたかったり、能力主義な人に向いてる
※上記ふたつの型において、正社員と派遣社員という制度は、ジョブ型では専門性人員の一種として見られるが、メンバーシップ型では雇用の調整弁として見られる