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答えの組織と問いの組織

色々な組織と仕事でお付き合いすることがある。
上層部の人と話すと、こちらが提案したことについて二種類の反応がある。
「私はそれは正しいと思う(思わない)」と、「私はそれが狙いに合っていると思う(思わない)」である。
この違いは、組織それ自体の考え方の違いだと思う。

世の中には、答えの組織と、問いの組織がある。

答えの組織では、組織をよい答えを出す場所と定義している。
組織の階層は、よい答えを出せるかどうかで上下に分かれる。よい答えを出せるかどうかは、能力だけでなく、経験が重要になる。だから一般に言って、年長者が上につく。
特徴として、問い(何をするべきか、何が良いことか?)は外から与えられる必要がある。

問いの組織では、良い問いを出すことが、よい答えにつながると考えている。
組織の階層は、よい問いが出せるかどうか、大きな(難しい)問いを小さな(簡単な)問いに分割していけるかどうかによって上下に分かれる。よい問いを出せるかどうかは、能力、おもに論理的な思考力にかかっている。だから一般に言って、上部はやたらと論理的で、下に行くほど単純作業が多くなる。
特徴として、個別の答え自体は自分で出さなくても良いので、専門家に外注することが多い。

どちらがいいとは必ずしも言えないし、混じっていることも多いのだが、自分の価値観に合った組織で働けることが良いのだろうと思う。