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明らかなハズレを考える

仮説なりアイデアなりを考える時のコツみたいなことを聞かれることがあるが、なかなか答えるのは難しいというか、思考習慣みたいなところはあるのだろうと思う。

思考習慣について明確に言えることがあるとすると、見ていて「明らかなハズレを真面目に検討する人かどうか」というのはあるといえる。もちろん、検討すべきだと思う。

直感的には、明らかなハズレなど検討すべきではないのかもしれない。でも逆で、明らかなハズレを検討してみると、「どうなってしまうとダメなのか」というのが明確にわかる。さらに言うと、意識して「典型的な正解」というのをいったん出してみるべきだ。これはベストにたどり着くためというよりは、自分の思い込み、何を無意識のうちに当然としているかをあぶり出すための作業だ。

経験から言うと、「明らかなハズレ」もしくは「典型的な正解」を大きくねじったものが良いものであることが多い。明らかなハズレを考えた時に出てくるダメな部分を、今のやり方ではない方法で解決したり、典型的な正解で無意識の前提に考えている部分を、否定して疑って置き換えたりするものが良い。

上記は時間のかかる作業になる。先輩が昔「考え抜いたのか?」とよく言っていた。こういう作業のことだったのではないかと思う。